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なにかあり/とくになし

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春うらら、頭もうらら

もしぼくに 予知能力があるとしたら。 いざ試さん。 予言です。 今、ハイファイ、午後2時半。 これから午後3時までに お客さんは来ない! ぐいっ(奥の入り口のドアが開く音)。 外人さん2名ご来店。 いらっしゃいませ〜。 すいません、 この能力、 日本人限…

注意、音楽が出ますよ

「注意、音楽が出ますよ」とは 偶然訪れたウェブサイトで見かける類の警告文。 そんな警告を受けた気分の 漫画アンソロジーを買った。 小学館の老舗漫画誌 「ビッグコミック」の創刊40周年を記念した 「ビッグコミックセレクション 名作短篇集」のことだ。 1…

しぐさ主義

江戸しぐさ、なんて言葉がはやったのは 2年ほど前のこと。 ぼくはそこには触らなかったけれど、 江戸時代のひとたちの 生活様式や立ち振る舞いが魅力的だという好奇心の押しつけではなく、 毎日の暮らしの中での ちょっとしたことを見つける 気づきの楽しさ…

8時半過ぎに来た男

8時半過ぎにハイファイにあらわれた太った男は よっこらしょといつものように 腰をおろした。 「いやあ、まさかあんな展開になるとは 思いませんでした。アポロンが」 文意がつかめず 訊きかえすと、 「まだ読んでないんですか? 小玉ユキ「坂道のアポロン」…

意地でも春を

阿佐ヶ谷の何でもない道を 父子が歩いていた。 こどもはまだ幼く 歩き方もおぼつかない。 お父さんはダウンジャケットを着込んでいる。 かなりの長身だなと思ったら 外国の方だった。 追い抜いてほどなく うしろから 鼻唄が聴こえてきた。 ワンフォザマネ、 …

侠気と夢

明日、 というか、これを書いている今(27日)はDJ。 DJをするときに どれぐらいのレコードを持ってゆくか、 ひとによって適量の度合いはあるだろうが、 一番美しいと思うのは 持っていったレコードをすべてかけて終わること。 出番が一時間とすれば 平均3分…

9歳のころ

来週の週末に 兄(長男)のこども(♂9歳)が 初めて東京にやってくる。 つきそいは ぼくの母と彼の母(義姉)、 つまりツー・マザーズですな。 兄夫婦は そろって休みが取れない忙しい仕事をしているので、 そういうトリオ編成になった。 東京からは ぼくと…

トム・レーラーのこと

昨日のつづき。 「ソングライターズ・オン・ソングライティング」で もっとも印象的なのは トム・レーラーという 日本ではまったく無名なアーティストに割かれた一章。 長い鍵盤に向かう やせた悪魔のうしろ姿を描いたアルバム 「ソングス・バイ・トム・レー…

ソングライターズ・オン・ソングライティング

引き続き「音楽とことば」(P-Vine Books)を パラパラとおもしろくめくっている。 ミュージシャンが作詞作曲について どっぷり語ったインタビュー集というと、 ポール・ゾロ著「ソングライターズ・オン・ソングライティング」を すぐに思い出す。 思い出す…

降りる駅を間違えそうになる本とは

こんにちは。 と、どこかで見た顔が 目の前で恥ずかしそうに笑っていると びっくりする。 その顔は 京都のシンガー・ソングライターの 安藤明子さんだった。 当たり前だが 写真で見た通りのお顔。 どうして目の前にいるのだろうと 頭の中を整理して思い当た…

大学イモにはさからえなかった

来週の金曜日、 DJをします。 お呼ばれです。 3月27日(金)@代官山Sign 20:00-23:00 チャージ・フリーのカフェ・イベントで ぼくは9時ごろから一時間ほどの出番です。 そのあと深夜に たびたびお世話になっている高円寺コネクシオンでも なんかやるかも と…

中央線ドロップス

元町夏央。 そう言われても、 漫画家の名前では思い出せなかった。 それでも表紙に描かれている顔の 目力(めぢから)に強く惹かれる何かがあり、 とりあえず小玉ユキ「坂道のアポロン」3巻などと一緒に 購入した。 それが 元町夏央「中央線ドロップス」(ア…

それはもうどうしようもなく寺尾さん

いくつかの偶然と ありがたいご厚意が重なって 夜7時には 代官山のライヴハウスにいた。 寺尾紗穂さんの出演を見て 8時半にはハイファイに戻る約束だった。 このライヴハウスでは ドリンクチケットの替わりに白い小石をくれる。 ツードリンクということで 小…

神か悪魔の声がする

いつもここを通っているひとたちには 何てことないゆっくりとした変化なのだろうけど、 久々に足を踏み入れた中央線武蔵境の駅は ぼくには激変と映った。 以前は駅舎に対して おちんちんのようにちょこんとくっついていた印象の 西武多摩川線ホームも、 今で…

旧中杉通りで起こった出来過ぎの話

朝11時頃、 阿佐ヶ谷の旧中杉通りあたりを歩いていたひとたちは 突然のお天気雨に見舞われた。 昨日も一昨日も そのまた前の日も 家にサンプル盤が届いてからもうずっと 寺尾紗穂の新作「愛の秘密」を出がけに聴き続けているぼくは とてもびっくりした。 雨…

アズベリー・パークからの挨拶

昨日から今日にかけて いただきものが多い。 関西限定風味の「コメッコ」 ピンク色の金平糖 オーストラリア名産(?)のコアラ・クッキー クリスタル・サウンズ「懐メロ歌謡 ベスト20」LP 熊本ウッドストックのレコード袋。 「懐メロ歌謡」のレコードは 眼鏡…

「みんなのプロレス」

買いそびれていた 斎藤文彦「みんなのプロレス」(ミシマ社)を ふとしたはずみで思い出し、 夜中にアマ●ンで注文したら その日の午後(つまり今日)手元に届いた。 ィヤんなるね、速すぎて。 洟噛むヒマもないね。 宅配の兄ちゃんに 思わず落語家風に話しか…

三匹の怪獣

病み上がりのタイミングは 運良く原稿仕事のエアポケットで、 まあ何となく家でもゆっくりとしている。 春もうららであるし このまま体調が上向きなら 来週の休みには 映画版「デメキング」でも見に行くか。 いましろたかし原作の 非十代のための未完成交響…

安藤明子

ゲリラ作戦は無事殲滅、 兵隊どもの気勢も徐々におさまり、 あとはベン・E・キングの来訪を待つのみ。 何の話かわからない方、 申し訳ありません。 ウィルス性胃腸炎からの回復過程でして、 おしりの方の話なんです。 今日から勤めに出ることにした。 出かけ…

欠勤日と「幻の湖」

診断は、 ウィルス性胃腸炎。 風邪から来たと見られるが、 風邪はさっさと通り抜けてしまい あとに腹痛とおしりのゲリラ作戦を残していったのだ。 食前薬、食間薬、頓服などを 出してもらう。 昨日よりもずいぶんラクにはなっていたが まだゲリラどもが不穏…

リズム&ペンシルの夢と現実

朝方から妙にお腹が張っていた。 朝ご飯は何とか食べられたのだが、 ブログを書いているうちに どうにも具合が悪くなってきた。 バンヒロシさんから送られてきた 安藤明子「Anの部屋」をかけたところで ばたんきゅう。 夢とうつつの境界線より ちょっと“うつ…

ロック界の甘えん坊から

いつもお世話になっている columbia*readymade HPの「レコード手帖。」にて ぼくの6回目の原稿が掲載されました。 どうぞお立ち寄りください。 ハイファイに着くと ぶかっこうにふくらんだ大きめの封筒が 郵便受けに差し込まれていた。 その姿は 悪事を見つ…

今夜、阿佐ヶ谷のバーで

今夜、 阿佐ヶ谷のブルースバーで、 H夜書房のFさんと一息。 ブルースバーに入ったのなんて 十数年ぶり。 Fさんの 「ロックとかブルースがかかっているバーで ウィスキーでも飲もう」という 大雑把だがそれなりに切迫したリクエストに応えて、 うろ覚えの記…

2大ギタリストに罪はない

こないだまとめ買いした漫画の中で もっとも楽しみにしていたのが イシデ電「月光橋はつこい銀座」(バーズコミックス)。 彼女の初の単行本だった 「私という猫」からして 背筋が凍り付いた、そのうえで 魂に熱い火が灯るような傑作だったもので なにしろ期…

BALLAD

吾妻ひでお「地を這う魚 ひでおの青春日記」(角川書店)に 度肝を抜かれる。 話の大筋だけで言えば 1968年、吾妻氏の駆け出し時代を追った 誰にでもある「まんが道」なのかもしれない。 だが、 漫画しか生きる術がないという切実さと 漫画では生きられない…

春の雨は重く激しく

目だけは早く覚めるのが 時差ぼけの効能。 久しぶりに早朝漫喫としけこむかと思い カーテンのすきまから外をのぞくと、 外は灰色に濡れぐもっている。 冷たい春の雨が びしびしと 重く激しく降りしきっていた。 さすがにこれじゃ 気が乗らない。 しょうがな…

ベン・クウェラーが来るんですね

買付から帰って ハイファイにひとまず立ち寄ると ベン・クウェラーの来日を告げるビラが 無造作に置かれていた。 置き方も無造作なら そのデザインも無造作。 裏面は白。 最近よくある 推薦コメント付けまくりのビラではなく 昔の新聞に挟まっていた片面印刷…

どうも睡魔せん

アメリカにレコードの買付に行くのが ぼくの重要な仕事のひとつ。 そして、それは時差ぼけとの闘いでもある。 日本とほぼ反転した時間帯では、 いつも夕方にきまって睡魔がやってくる。 そしてその魔力には抗し難い強さがある。 自分ではちょっとしたまばた…

ちょっとどこかに行きましょうか

ビーチボーイズの、 できれば「ペット・サウンズ」全曲を カヴァーでそろえようと思うと 結構ハードルが高い。 「ペット・サウンズ」(曲の方)を ジャズ・ヴィブラフォン奏者の フレディ・マッコイで見つけたときはびっくりしたし、 「駄目な僕」は ヒュー…

ほんにあなたはドッペルゲンガー

このネタ、 年末に書こうと思って取っておいたら 書かずじまいになっていた。 とある編集部の忘年会にお呼ばれしたときに 隣に座った若いカメラマン。 横顔が誰かに似てる。 いや、 似てるというより、 そのひとそのもの。 そうです。 彼はオザ●ンにクリソツ…