スカートは実在した! 澤部渡インタビュー その2
スカート澤部渡インタビュー、
第2回は
スカートのなりたち、
そしてその前振りとして必要な
yes, mama ok、そして、パラダイス・ガラージを知ったころのことなど。
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松永 まあ、今日は、ぼくが澤部くんにするはじめてのインタビューなんで、スカートについて知りたいと思っていたことをなんでも訊かせてください。訊いてもいいですか?
澤部 はい、もちろんもちろん(笑)
松永 そもそも澤部渡は、いつごろからスカートなの?
澤部 スカートと名乗るようになったのは、たぶん、大学一年ぐらいからです。それまで宅録を高校一、二年くらいからやっていて。
松永 でも、そのころは澤部渡名義で作っていて?
澤部 そうですね。大学入ってから「スカートです」と名乗るようになりました。パラダイス・ガラージが豊田道倫であり、yes, mama ok?がほとんど金剛地剛志ひとりみたいなバンドだったり。だから、そういう名前を自分にも設けたほうがいいのではないかと思うようになりまして(笑)。そういう感じでつけることにしたんじゃないかなと。
松永 命名の由来は?
澤部 あんまりないです。強いて言うならぼくにとっての憧れの象徴としての「スカート」だと思います。もともとは、ゆくゆくはバンドにするつもりでスカートと名乗り始めたというのもあるんですよ。実際にバンド「スカート」としても大学時代に1年半か2年くらい活動しましたし。そのバンドが散り散りになってしまった前後ぐらいから『エス・オー・エス』に入るような曲を作り始めて、そこからアルバムに向かってちょっとずつ曲を仕上げていって。『エス・オー・エス』が出来たときはひとりだったという感じですかね。
松永 そういえば、yes, mama ok?のライヴには中学生で通っていたって?
澤部 中学3年ぐらいでしたね。早熟というか……、なんなんでしょうね? 10年くらい前ですかね、MXテレビって、東京にはあるじゃないですか。そこで、イエママ(yes, mama ok?)の「サンオイル」って曲のPVがかかってて、「うわー、変だけどおしゃれな人たちで、最高だな」って思ってたんです。でも、CDを探しても、全然近所には置いてないわけですよ。中1ぐらいで、まだお金もなかったし。それで1、2年くらいしたら、今度は同じMXで『テレバイダー』って番組がはじまったんですが、そこで変なキャスター役をやっていた金剛地さんに画面上で再会したんです。これはもう一度ちゃんとこの変な人のことを調べて、ライヴも見るべきだと思って。それからですね。
松永 そうなんだ。で、そうと決めたら足を運んで。
澤部 会場はCLUB Queとか青い部屋とかでした。
松永 中学生のお客さんなんていなかったでしょ?
澤部 いなかったんじゃないですかねえ。最初は中に入るのにも不安はありましたけど、やっぱり、見ないわけにはいかないと思って。
松永 うわさによると、yes, mama ok?のライヴには最初お母さん同伴で行ってたんだよね? やがてひとりで来るようになって金剛地さんが「あ、あの子、ついにひとりで来た!」としみじみと感動したという逸話を聞いたことがあるけど、それは本当?
澤部 いや、実は最初のCLUB Queにはひとりで行ったんです。母同伴はその少し後の話で……。青い部屋でのイベントを見に行ったあとで「セルメンや高橋幸宏の曲をやったりしていたよ」なんてことを母に話したら、「興味がある」って言いだしてついてきて。でもこれは最近教えてくれたんですけど、実際は友達の母親に「まさか子供だけでいかせないわよね」なんて言われたから渋々ついてきたみたいです(笑)。だから最初の2回くらいはひとりで見に行ってたんですよ。
松永 へえ。じゃあ、パラダイス・ガラージはどんないきさつで見るようになったの?
澤部 パラガを見るようになったのも、イエママつながりなんですよ。そのうち、金剛地さんがパラガのアレンジで参加したアルバム『実験の夜、発見の朝』(98年)を見つけて、それがきっかけで聴くようになったんですよ。パラガは、無力無善寺に見に行ったんですよ。
松永 パラガ初体験がいきなり、あの高円寺ガード下の無善寺!
澤部 そうなんです(笑)。高校3年でした。そのころ、ぼくは金剛地さんと知り合ってイエママのトリビュート・アルバムのスタッフもやっていて、それに是非、豊田さんに参加してもらいたいと思って足を運んだんです。でもお願いをしたら「今は活動していないバンドのトリビュートに参加する意味はないと思うから。はっぴいえんどのボックスもそれで断ったし」って断られて。そういう理由ならとぼくも納得したんです。それからは時間とお金の許す限り、パラガのライヴは見に行きましたね。昆虫(キッズ)の高橋(翔)くんとも、パラガのライヴで会ったんですよ。
松永 昆虫キッズのライヴを手伝うようになる流れも、そこから?
澤部 そうですね。当時、パラガのライヴに若いのが何人かよく来ていたんですよ。そこに熊谷耕自という、昆虫キッズのマネージャーというか雑用をやっている男がいまして、今はスカートのサイトを作ってくれたりしているんですが、そいつが高橋、岩淵(映像作家の岩淵弘樹)、澤部、熊谷の4人で会うきっかけを作ったんです。熊谷くんはぼくと同い年で、高橋くんはぼくの3つ上ぐらいかな。あのころは高田馬場のジョナサンで朝まで語り合ったりとかしてましたね(笑)。
(つづく)
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スカート ワンマントーク&ライブ ODAIBA MUSIC CLOUD vol.1
@お台場TOKYO CULTURE CULTURE
Open 18:30 Start 19:30 End 21:30 (予定)
前売り券1800円 当日券2300円(飲食代別途必要・ビール¥600など)
【ライブ】スカート(澤部渡)
【トークライブ・ゲスト】北尾修一(太田出版) 阿久津真一(元エピックレコード)
【企画・司会】テリー植田(東京カルチャーカルチャー・プロデューサー)
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