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なにかあり/とくになし

『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』全曲を語る その4/髙倉一修&厚海義朗インタビュー

お待たせしました。 『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』の全曲を髙倉一修&厚海義朗が語るインタビュー。今回は3曲目、厚海義朗楽曲「祝福の歌」。 インタビューでも触れられている通り、厚海ソロでもすでにレパートリーだったブラジリアン・フィール濃厚な…

『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』全曲を語る その3/髙倉一修&厚海義朗インタビュー

『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』の全曲を髙倉一修&厚海義朗が語るインタビュー。約1万字に及んだ「三世紀」を経て、話は2曲目の「ノヴァ・エチカ」へ。 mrbq.hatenablog.com mrbq.hatenablog.com ==================== ノヴァ・エチ…

『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』全曲を語る その2/髙倉一修&厚海義朗インタビュー

さて、『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』の1曲目「三世紀」話は、まだまだ続く。 ==================== 三世紀 GUIRO オルタナティブ ¥250 provided courtesy of iTunes music.apple.com ──後半に乗る髙倉さんの歌詞が、ああいうものに…

『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』全曲を語る その1/髙倉一修&厚海義朗インタビュー

GUIROにとって2019年の重要なリリースとなったミニ・アルバム『A MEZZANINE(あ・めっざにね)』。 兼ねてから、アルバムの試聴会やトークイベントなどで高倉さん、厚海くんたちといろいろ話してきたなかで、高倉さんより「GUIRO再始動の経緯や近年の活動に…

王舟と「大きな魚」の話をした。/王舟インタビュー その2

長々とお待たせしました。 王舟の新作アルバム『Big fish』をめぐるインタビューの後編。 後半はアルバム本編の話との直接の接点は離れるようでいながら、ミュージシャン王舟が今考えていることには近づいてるような気がする。まとめてても、なんだか振り子…

池田俊彦の世界にようこそ。/T.V. not january『ふつー』発売記念インタビュー その1

池田俊彦こと「池ちゃん」と初めて話したのはいつだったか。Hei Tanakaが3人で初めてライヴをやったのは2012年の日大芸術学部での「プチロックフェス」だったけど、そのときだったっけ? もしかしたら、それ以前から知っていたような気がする。 マッシュルー…

王舟と「大きな魚」の話をした。/王舟インタビュー その1

王舟と『Big fish』の話がしたいと思った。それは彼の最新アルバムの話ってことなんだけど、他にもいくつか思い当たるフシがあった。たとえば、ティム・バートンが2003年に撮った映画『ビッグ・フィッシュ』。その題名の語源でもある「Big fish」は、英語で…

『ソング・サイクル』から見ると世界は

このほど季刊にリニューアルした「CDジャーナル」。ぼくがライターとして仕事はじめてから十数年、途切れず原稿を書いてきた雑誌だし、当時編集部員だった川上くんがいまは編集長になっていて、とりわけ2010年代に入ってからはいろいろな企画を実現させても…

2019年5月の「オヒルノオト」選曲

JFN(ジャパンFMネットワーク)で放送の番組「Simple Style -オヒルノオト-」にて、12時過ぎからの「オヒル ノ オト(お昼の音)」というコーナーで5月の毎週水曜日、全5回でそれぞれテーマを立てて選曲をした。あらためまして、そのリストを公開。 5/1「平成3…

なぜエルメート・パスコアールは2年連続で八代に行くのか?/山口功倫インタビュー その3

3回にわたってお届けした「なぜエルメート・パスコアールは2年連続で八代に行くのか?」も今回で最終回。その2度目の八代公演もいよいよ今週末(5月18日)に迫ってきた。 インタビューでは、裏話や秘話で飾り立てるというより、稀有な現場が作られていくさま…

なぜエルメート・パスコアールは2年連続で八代に行くのか?/山口功倫インタビュー その2

なぜエルメート・パスコアールは2年連続で八代にいくのか? 全国の音楽ファンがすくなからず感じているであろう素朴な疑問を振り出しにしての話だけど、これは熊本県八代市というある地方都市を舞台にした音楽ファンの生き方と伝え方の物語でもある。 第2回…

なぜエルメート・パスコアールは2年連続で八代に行くのか?/山口功倫インタビュー その1

昨日(5月11日)の〈FUJI & SUN〉フェスティヴァルから今年も始まったエルメート・パスコアールのジャパン・ツアー。去年、「まさか!」と誰もを驚愕させた熊本県八代市での単独公演(やつしろハーモニーホール)が、なんと今年も5月18日に行われる。去年は…

これから始まるふだんの話/ふだんインタビュー その2

画:黒木雅巳 ふだん、インタビュー2回目。ふだん以前の音楽活動や曲作りのことなど。 2000年代の大阪インディーの景色の一端もなんとなく浮かび上がる感じの話になったかも。 ==================== ──ふだん以前の音楽履歴をちょっと聞…

これから始まるふだんの話/ふだんインタビュー その1

〈ふだん〉という名前のアーティストを見かけたのは、今年の初夏。 ぼくもときどきお邪魔する神戸塩屋の旧グッゲンハイム邸の名ソムリエにして高校野球狂のSSK氏が主催するイベント〈第3回 初夏のセンバツ〉(2018年6月3日)に関するツイートを見ていたとき…

夢と時間の境目を触れる、たたく/角銅真実インタビュー その4

お待たせしました、角銅真実インタビュー、第四回にしていよいよ最終回! 7月にリリースされた初のソロ・アルバム『時間の上を夢が飛んでいる』についての話、そしてアルバムにコメントを寄せていた人たちについての興味深いエピソードなど。 あらためてアル…

夢と時間の境目を触れる、たたく/角銅真実インタビュー その3

角銅真実インタビュー、第三回! 大学を卒業した彼女が、いよいよceroに加入したくらいまでの話。 気になってる人も多いエピソードだと思うので、今回もさくっと本編へ。 第一回は、こちら。 第二回は、こちら。 ==================== ─…

夢と時間の境目を触れる、たたく/角銅真実インタビュー その2

お待たせしました。角銅真実インタビュー、第二回! 前回、突然に東京藝大受験を決意した彼女がそれからどうなったのか?気になってる人も多いはずなので、前置きもそこそこに彼女の話にはいるとする。 今回も角銅さんから当時の貴重な写真を提供していただ…

夢と時間の境目を触れる、たたく/角銅真実インタビュー その1

2ヶ月くらい前、ceroのライヴが終わったところだったかな。古川麦くんに「松永さん、今度、角ちゃんのインタビューをしてくださいよ」と話しかけられた。 「角ちゃん、今度ソロ・アルバムを出すんです。ぼくも参加していて」 そう聞いて驚いた。去年の11月、…

みっちゃん! 光永渉の話しようよ。/ 光永渉インタビュー その3

ひと月空いてしまいましたが、光永渉ロング・インタビュー、第三回。 みっちゃんの言葉を借りれば「時がいい感じで周りはじめた」2010年前後の話。 なお、間が空いたので、前2回もご参照を。 「その1」 「その2」 ==================== …

みっちゃん! 光永渉の話しようよ。/ 光永渉インタビュー その2

光永渉ロング・インタビュー、第二回。 第一回ではドラムをちゃんと叩くところまでたどり着かなかった。いよいよ第二回では、みっちゃんがドラマー人生を歩みだす。名門サークルの門を叩いて、それからどうなった? ===================…

みっちゃん! 光永渉の話しようよ。/ 光永渉インタビュー その1

光永渉、と書くのはどうにもまどろっこしいので、いきなり“みっちゃん”ではじめたい気持ちがつよい。でも、それだとくだけすぎるので、とりあえず文章上は“光永くん”でいきたい。 光永くんとはじめて会ったのは、2012年の春。場所は阿佐ヶ谷のRoji。ワーキン…

ユーミン40ドルから転がった話

アメリカにおけるユーミン評価の一例。 ブルックリンで開催されたWFMUレコード・フェアにて見かけたレコード。先日ツイートしたこの写真に対し、思いがけずたくさんのご反応をいただいた。 似たような例というか、2年半前の話には、こういうことも。 【2013…

2016年のNRBQ

NRBQを見たのは、なにげに4年ぶりだった。前に見たのは2012年の1月。トム・アルドリーノが亡くなって1週間後のニューヨーク。ジェイク・ジェイコブスとサン・ラー・アーケストラのマーシャル・アレンがゲストで出て、ぼくは偶然にもヨ・ラ・テンゴのアイラと…

タイム・アウト・オブ・マインド

高田馬場の中古レコード名店「タイム」が先月末で閉店したという報せを聞いた。昭和38年創業というから、半世紀以上営業していたのだ。初代のオーナーさんは10年ほど前に亡くなったはず。 「タイム」にもっとも通ったのは大学時代。 のちに縁あって高田馬場…

When you were young.

2日の話だが、弟夫婦が年始のあいさつにやってきた。 今年の春がくると2歳になる甥っ子が、トタトタ歩くし、カタコトを話すようになっていて楽しい。「パパ」やら「ママ」やら「メンメン(麺類を食べさせろ)」やら「ニャーニャ(猫に会わせろ)」など。全速…

空飛ぶ円盤に姉が乗ったよ

左まぶたの上に傷あとがある。 いつからなのかは知らない。気がついたときにはもうあった。普段は皮膚の色に同化しているんだけど、汗をかいたり、気持ちが高ぶったりすると、すっと紅い斜めのすじがまぶたの上に現れる。 その日も、鏡をじっと見ていた。髪…

お正月

年の変わり目は渋谷WWWで迎えた。 Yogee New Wavesの角館くんがマイクを取ってのカウントダウン。ドアを力強くノックして、ぶわっと開けた感ある。 思い出野郎とEMCからのnever young beach。無礼講な気の放出がすごい。男の子たちがわあわあ叫び、女の子た…

2003年の「Fakebook」

2003年にP-Vine Recordsからヨ・ラ・テンゴの「フェイクブック」(1990年)がリイシューされるときに、ライナーノーツを書かせてもらった。 どういうわけかそのCDが手元になく、今はもっぱらリイシューされたアナログで聴いているのだが、古いファイルを整理…

All Things Must Pass

アメリカのタワーレコードの栄華と衰退を描いたドキュメンタリー映画を見た。 タイトルは「オール・シングス・マスト・パス」。 念のために書くと、アメリカにはもうタワーレコードは存在しない。2004年以来、2度の破産を経て、2006年12月22日を最後に全米の…

A visit to Andy Warhol Museum at night

アンディ・ウォーホルがアメリカ東部ペンシルヴェニア州のピッツバーグで生まれ育ち、大学を卒業するまで地元にいたことは、あんまり知られていないかもしれない。生粋のニューヨーカーとして彼のことを勘違いしている人は少なくないし、出自が知られていた…