殿山泰司は高校野球が好きだった
雨のそぼ降る中華街。
ツマから「肉まんと、ねじった揚げ菓子(名前不明)買ってきて」との指令あり。
雨足が強くなる前に買い物を済ませ、
足早に中華街朱崔門を抜け、みなとみらい線の駅にもぐりこむ。
それにしても、こんなところに駅があるなんて、
何だかうまくだまされたような気分になる。
この雨のせいで、
プロ野球は巨人戦を除いて、5試合中止だそう。
このブログでは野球の話は書かないことにしているが、
野球漫画のことならいいだろう。
今、一番おもしろく読んでいるのは、
「おおきく振りかぶって」ひぐちアサ(講談社アフタヌーンKC)。
コミックスは現在6巻まで発売中。
キャラクター設定の良さ、
ディテールに気を配った構成はもちろんのこと。
この作者らしい、スパイスが効いている。
何よりも、すべての野球漫画に共通して言える特徴(必要悪というか)である、
「おめー、試合しながらこんなセリフ言うか?」という
野暮なツッコミが要らない唯一の作品である。
“こんなセリフ”とは、
たとえば、ピッチャーが投げながら、
「この球が打てるわけねーぜ!!!」と叫ぶとか、そういうもの。
それがすべてダメだとは思わないし、
「ドカベン」からそれを取ってしまえとも思わない。
ただ、この作品はそれが要らない漫画なのだということを、
メッセージではなくストーリーとしてきちんと描いているのだ。
“言う”のではなく“思う”ということを細やかに。
とにかく“おお振り”は、とてもいい。