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なにかあり/とくになし

ラーメン死亡遊戯

ハイファイから渋谷駅への帰り道、
ビルとビルの間の狭い空間に、
また縦長のビルが新たに建てられようとしている。


「ここ、何のビルになるんでしょうね」とフジセ(ハイファイのバイト)。


ラーメン博物館でも入ればいいのに」


「ああ、それ、いいっすねえ」


ここから先は妄想暴走。


しかもだ、
ブルース・リーの「死亡遊戯」ばりに5重6重の塔構造にしたらどうだろう?
一階ずつラーメンを制覇しなければ上の店には行けないってのはどうか?
5階、6階のラーメンは、いまだかつて食べた者無し。
そりゃー噂になるぜー。


いや、待てよ?
ラーメン制覇って、ただ完食すればいいわけだろ?
そりゃちょっとハードル低くないか?
全メニュー食べ尽くすとか?
隠し味を当てる、っていうのはどうだろう?


「隠し味は高知沖で取れたマグロの天日で3日干しですね」


でも、一回当てられたら、このネット社会、
すぐに広まってしまう……。


それよりも何よりも、
5階や6階に客が来ないんじゃ、
その店、商売上がったりじゃないか。
1階の店のみ、ひたすら大繁盛。
上の階の伝説の名人たちが、
生活のために1階の厨房手伝ってたりして……。


いやいや、
名人たるもの、
ラーメン用の粉の選別にも数週間。
味噌を探し、山奥に潜むこと数年。
手塩をかけて育てた愛豚を、
ただ一杯のラーメンの、一枚のチャーシューのために……(涙)。


しかし、この塔を登り切る頃には、
客は油の摂りすぎで、
死亡遊戯というか“脂肪遊戯”だ……。


そんなことを考えながら渋谷駅。
ゴールデンウィークなので、雑誌の早売りは無い。
つまらん。