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なにかあり/とくになし

兄弟、尻が重い

また“燃えるゴミ”を出し損ねた。あーあ。
ちょっとの寝坊が命取り。
彼ら(収集車のこと)は予告も無くやって来る。
ときには早乗り、ときにはじらし戦法で。


山上たつひこが筆名を“山上龍彦”と改めて、
小説家として活動を始めた頃の短篇に、
夜中のうちにゴミを出そうとする若い夫婦の葛藤とご近所の目との戦争をテーマにしたものがあった。


山上さんが転身した当時は、
「へー、澁澤龍彦と一緒の“たつひこ”だよ」と、
友人の間でも話題になったものだが、
最近、作家・山上龍彦はどうしているのだろう。


自分だって今朝ゴミを出し損ねなければ、
思い出すことはなかったかもしれない。


本棚のどこかに作品集「兄弟、尻が重い」とかあるはずだが、
なかなかぼくも尻が重い。