ガールフレンドふたたび
ロッド・スチュワートの、
「エブリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー」を買いに行ったのだ。
何を今さら。
でも聴きたくなっちまったんです。
映画「オールモスト・フェイマス」でも、
すかっと、この曲は使われている。
あの映画の「あの頃、ペニーレインと」という邦題は、
いいかげん廃盤にしてもらいたい。
レジに向かう途中に、よく知った女がこっちを見ていた。
マシュー・スウィートの「ガールフレンド」だった。
“レガシー・エディション”ということでCD2枚組の特装盤が出ていたのだ。
「ガールフレンド」が発売されたのは91年だから、
もう15年が経っていることになる。
考えてみれば、後にも先にも、
マシュー・スウィートの出した作品で、
「ガールフレンド」以上のものを聴いたことがない。
ぼくにとっては、このアルバムがすべてである。
案の定、ボーナスで付いていたデモ&ライヴ集(かつて別売されていたもの)は、
蛇足としかいいようのないものだった。
聴くだけ無駄。
元リチャード・ヘル&ヴォイドイズのロバート・クインと、
元テレヴィジョンのリチャード・ロイドにギターを弾かせる。
アニメおたくのマシュー・スウィートが実現した音楽的SF小説は、
オリジナルの「ガールフレンド」一枚で美しく完結しているのである。
ただし、日本盤のボーナス・トラックで収録されていた
「ティーンエイジ・フィメール」という曲は別格(今回も収録)。
ひょっとしたら、この曲が一番好きかもしれない。
かわいくなくて、とりえもなくて、音楽に詳しくもない。
でも、テレビで演奏してたあのロック・スターの嵌めてた指輪が気になるの。
そんな十代の女の子の歌。
重要なのは、この歌の主語、つまり「わたし」が、
その女の子であることだ。
サッカーの裏番組で、3チャンネルでやっていた、
ゴスロリ少女のドキュメンタリーと、この曲が不思議に重なった。
ところで、話はぐいっと戻るが、ロッドのCD、
分離の良い、素晴らしいリマスターだった。ヒュー!