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なにかあり/とくになし

奇観! 神宮前でナイアガラを見た

暑い。
“うだる”という形容がもっともふさわしい夏。


“うだる”という言葉の語源はもともと
“ゆだる”(卵などが)とおなじだそうだ。
アスファルトからの強烈な照り返しで、
ぼくらの頭はゆでたまごになって固まってしまう。


半熟でいられるように、
気分だけでも妄想世界へ脱出させないと。


クレイジーケンバンドの新作『SOUL電波』のサンプルを
少し前にお送りいただいていて、
すでに何度も聴き返しているが、
気温が30度を超えて、
メラメラと聴きたい気分がさらに増してきた。
作品の温度と、
ぼくの体感温度が、
ジャストで同調し始めたのだと思う。


中盤に「東京から来た女」という曲があって、
タイトルはディープ・パープルの
「ウーマン・フロム・トーキョー」のもじりっぽくもあるけれど、
とても気に入っている。


ワールド・ミュージックを
日本の対岸にあるおもしろい音楽として
ありがたがる感覚になじめないぼくには、
温暖化によって亜熱帯化しつつある東京の街も
ひとつの“異国都市”なんだと認める
剣さんの感覚が心底から腑に落ちるのだ。


夜、
ハイファイの近所にある
神宮前の小さな社(やしろ)でお祭りの景色。
どういう町内会なのかわからないが、
山手線脇の狭い一画で仕掛け花火が。


しかも、あんな狭い場所で
ナイアガラ花火を!


路地の入口から
火花の塊がどろっと押し寄せてきそうで、
すごくスリリングな眺めだった。