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なにかあり/とくになし

生ゴミのかたまり

訳詞などを担当した
レイ・デイヴィスの新作
「ワーキング・マンズ・カフェ」本日発売になりました。


帯のキャッチ・コピーが
「レイ・デイヴィス節満載!」になっている。
これはレコード会社の方が考えたものだが、
“節”という部分が妙にツボにきた。


節とは
メロディや歌詞の言い回しという意味でもあるのだが、
何よりも
初老にさしかかりつつあるロックンローラー
どうしようもなく揺るがない自分の性や
にじみだしてしまう言い草を
言い表しているような感じがするのだ。


つまり、
“芸”ではなくて“節”。


何かを演じるという部分を抜け出て、
自分と寄り添う泥臭い生き方であり
それがある意味、
レイ・デイヴィスの達しつつある枯淡というか
風流なのだとも言える。


初老のひとのことを書いたので
若いひとのことも書いておく。


中央線車中での
近くに立っていた女子高生の会話。
期末テストの季節であった。


A「●●ちゃん、歴史のテスト6点だったんだって」
B「それひどすぎない?」
A「“ペリー来航”を“ペリエ来航”って書いちゃったんだって!」
B「うそ、超うける」
A「そう言えばさ、“生ゴミのかたまり”って流行ったよね」
B「ねー、あれ面白かったねー。“なかとみのかまたり”だっけ」
A「そうそう、中臣鎌足……」


以下略。


そのハイトーンで、
ちょっと知的な(?)会話を車内で聞きながら、
中年のぼくはカバンの中にある
かわかみじゅんこ「パリパリ伝説」(祥伝社)を読もうか
中島守男「吉田家のちすじ」(アフタヌーンKC)を読もうか
考えている最中だった。