老猫、老犬

老猫のしぐさ、
というものがあるらしい。

寝ている時間が増える。
遊びはするがすぐ飽きる。
やけに甘えるようになる。

なんだかだんだん
うちの黒猫も思い当たるフシが増えつつある。

推定年齢13〜14歳。
諸説あるが、
人間に換算すると
70〜86歳。

にしては、まだまだ元気ではあるが、
ふいに真面目そうな顔（猫が）をしたとき
それなりの年齢を感じる瞬間がある。

一緒に遊んでいた子供が
「そろそろ塾に行かなくちゃ」と
言い出したときのような顔。

老猫と言えば、老犬。

90年代暮れにキマタツトムというミュージシャンが
シャーペンという名前で活動していたころに
「老犬アイロン」という
たまらなく良い曲がある。

調べたら2000年の発売だった。

ひ弱なのに、よく走るやつ。

あの曲の入った同名のアルバム、
どこかにあるはずだと探してみても見つからず。

たしか、あのとき
一緒にビデオ・シングル（VHS）も発売され、
ぼくはそれを買った。
あれならまだどこかにしまってあるはずだ。
引っ張り出して見てみたくなった。

シャーペンの音楽は
漫画にたとえると
浅野にいおではなく、
小田扉でもなく、
村上かつらの匂いがした。

だから今
むしょうに聴きたいのかもしれない。