インタビューイー
行きがかり上の縁で
取材を受ける。
何年と行っていなかった場所で
何年かぶりに会うひとも一緒に
何年も口に出すことのなかったひとたちの名前を
しゃべった。
いつもの
インタビュアーの立場から
インタビューイーにされたわけです。
過去の行状をしゃべらされるのは
一種の罰ゲームとも言える。
自分が
いつも質問者として
いかにぞんざいであるかを
思い知らされるような気分でもある。
自分がここでこうして
話をしているべきではないという気もする。
でも
まじめに話した。
口の中が
砂でざらざらするような感じがした。
ただし、
その砂の苦さの奥底にはわずかな甘みがあって
案外、
砂糖が混ざっているのかもしれない、
なんてことも正直に思ったりもした。
そんな寝言は
勝手に言ってろ、って。