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なにかあり/とくになし

アンヴィル電話

移動中に携帯が震えた。


リダイヤルしてみると
電話の主の用件はただひとつ。


「いやー、
 映画の「アンヴィル」があまりにも最高なんで
 良平さんも是非見に行くべきだと
 ただそれだけが言いたかった」


30年の歴史を持つヘヴィメタル・バンド、アンヴィル
真実と現実を扱ったこのドキュメンタリー映画
日本公開前から話題で
渋谷駅ビルの2階に上がる階段にも
全面的に広告を展開している。


気になっていたので
来月早々には見にいくつもりでいたところ。


アンヴィルというバンドには
視覚的な記憶がある。


少年時代に読んだ「ミュージックライフ」に
アンヴィルのアルバムが
当時の新譜として掲載されていたのだが、
そのジャケに大写しになった金属の塊が
ちょうど学校の木工室にあった万力に見えたのだ。


何故かそのことにひどく興奮して
「万力をジャケットにしとるバンドが
 おるげなよ(いるらしいよ)」と
友人に興奮気味に話したことを覚えている。


友人も
そんなこと言われても困ったろう。


しかし、
あれは今考えると万力ではなかった。
水牛の角を鉄で固めて彫刻にしたような鉄の重石。


あれだよ、あれ、
あれは何て名前なんだろう?


気になって調べてみたら
わかりました。


それは和名を「角型金床(つのがたかなどこ)」という金属で、
英語で言うと
そのものずばり「アンヴィル(Anvil)」なのだった。


だからあれがジャケに
デカデカと出てたわけだ。


アンヴィルより産むが易し、ですな。


では最後に
我らがアンヴィルの美しい勇姿をお楽しみください。