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なにかあり/とくになし

リキテンシュタインのシステム手帖があれば

夕方の総武線
iPhoneがぶるると震える。


留守電を聞くと
至急電話をくださいとのこと。
今日これから取材の待ち合わせをしている編集さんからだった。


改札を出てすぐに電話。


「あの〜、
 さきほどメールを頂戴しましたが……」


そう。
出かける前に
今日の待ち合わせの確認のメールを出した。


「取材は今日ではなく
 明後日なんですよ……」


あたたた!
やっちゃった!


16時の取材を
16日の取材と勘違いしてしまったのだ。
不幸中のさいわいは
早い方に間違えたってこと。


顔を真っ赤にして
人通りの多い場所で
電話をしながら
ぺこぺこと頭を下げ、
仕切り直しということになった。


あーもう、
ばか。


でもまあ
それだけ気持ちのはやる取材だったということか。


いましめのために
iPhoneのデスクトップを変更した。


MOCA(ロサンゼルス現代美術館)収蔵の
リキテンシュタインが書いたビジネスマンのシステム手帖。
ありがたいことに写真撮影が許可されていた。


システム手帖の絵をいつも目にしていれば
おのずと気も引き締まるだろう。


この絵をよく見ると
カレンダーに一ヶ所だけマルが書き込まれたその日付が
10月26日。


ぼくの誕生日は10月28日。
惜しい!


おっと待てよ、
今日ぼくが間違えた取材日も
2日早かったのだ。


2日早く思い込んでしまう
リキテンシュタイン
妙な魔法じゃないだろうね。


その後、
近所で働くI氏を呼び出して打ち合わせし、
都内をうろついてから
赤坂へ向かった。


ミュージカル
TALK LIKE SINGING」を見る日だった。
さすがにこの日程は
間違えてなかった。