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なにかあり/とくになし

わたしは見られた、わたしは見た

シメキリがぴたっとくっついたままの状態が
まだ続いている。


そんな状態なので
ちょっと前の小ネタを。


ツマが夜いなかった日に
意を決して
一度は行ってみたかった中華な定食屋に
勢いよく乗り込んだを以前に書いた。


実はそのとき
ぼくの何メートルかうしろを知り合いが歩いていたのだと
すこしあとに教えられた。


「松永さんだと思って
 声かけようとしたら
 すっと曲がってあの店に入っちゃったんですよ、ギャハハハハ!」


その話しぶりには
まさかその店に入るとはというおどろきと
「あんたも好きやのう」的な親しみがこもっていたが
ぼくの顔は赤くなった。


恥ずかしいことじゃないけどさ!


人間の目はうしろにはついてないことを
この歳になってあらためて知りました。


以上、
「わたしは見られた」おわり。


それと
これは割と最近のこと。


帰りの電車に
ほろ酔いの男性サラリーマンが座っていて、
その隣の空席に
すらっとした外人青年が腰掛けた。


酔ったサラリーマンは
なにを思ったか青年に
「ハウアーユー、
 アイムジャパニーズ、
 アイライクユー、
 アイウォンチュー、
 ベリーベリーソーリー」
とカタカナ英語でしゃべりかけた。


酔ったうえでのふるまいとは言え
不穏な空気が漂う。


おどろいたのは次の瞬間だった。


「何が言いたいの、お前?」


はっきりした日本語で青年は文句を言うと
すくっと立ち上がって
別の車両へと足早に立ち去っていった。


あとに残されたサラリーマンは
ほけっとした顔のまま
「ハハハ、
 サンキュー、
 ファッキュー」
と、やらかしていた。


案外、確信犯だったのかもしれない。


以上、
「わたしは見た」おわり。