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なにかあり/とくになし

クレアにあげたCDが一枚余ったので

髪を切りたい。


うかつにも
髪を切らないままに10日間ほど渡米したから
結構なもっちゃりヘアーになってしまった。


これがまた
アメリカでは
とりわけ
レコード屋に出入りするような連中は
寝ぐせなんか生まれて一度も
気にしたことがなさそうな連中ばかりだから
ぼくの気のゆるみも増長する。


しぶといくせのあるぼくの髪は
ある程度の伸びに達すると自己主張をはじめ
無理しておさえつけようとすると
往年の聖子ちゃんカットみたいにサイドが跳ね上がってゆく。


本当は
休日をもらっている今日
切りに行くべきだったのだが、
クレア&ザ・リーズンズのライヴは
夜9:30スタートの二部を見ればいいんだからと
昼過ぎからがっつりと昼寝に入ってしまったのだ。


結局、
もっちゃりヘアをなんとかなでつけて
丸の内のCOTTON CLUBまで出かけた。


去年の暮れのNY以来、
約9ヶ月ぶりに見るクレア。


ちいさな冒険から生まれる
大きな遊び心を
今夜もさらりと味わった。


キッチンで料理しているように
たがいの楽器を
ほいさっさと
あるいは
そっちじゃないわこっちよと
適度にじたばたしながら交換しあう光景の
ほほえましさも相変わらず。


実のところ
彼らはみなきちんとした音楽院で
かなりの訓練と勉強をしてきているはずなのに
不思議な不器用さが残っているのが
とても稀な魅力的なのだ。


ちいさな出来事に感じやすくて
頭がいいのに間が抜けていて
それでいて音楽は素晴らしい。


見ているひと
聴いているひとの
それぞれにそれぞれの思いはあるのだろうけど
総じてなにかを許されている気分になる。


それこそ
ぼくの髪が中途半端に伸びてて
中途半端にくねったくせ毛になってても。


ツマは言った。
「見てると楽器やりたくなる」
出来なくても何かやりたくなる。
そう思えるのって、いい音楽だよねえ。


終演後、
「ポパイ」のCDへのコメントをありがとうとお礼を言った。


売店で買ったのは
夫でありリーズンズのクールなキーマンである
オリヴィエ・マンションのソロCDと
彼らがヨーロッパ・ツアー用に制作した手刷りの美しいポスター。


こちらからのお礼は
水ようかん。
そして暑中見舞いのCD-R。


実はそのCD
一枚余ったんです。


早い者勝ちで行きましょう。
先着一名様。


朝のプレゼント。
(終了しました。ご応募ありがとうございます!)