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なにかあり/とくになし

The night I saw The Artist

ヴァレンタイン・デーのつづきの夜。


思い立って
近くの映画館まで歩いていった。
目的は
話題の映画「アーティスト」。


シネコンで列待ちをしていると
すこし前のほうにいる
若者たちの会話が耳にはいってくる。


「おい、どれにする?」
「そうだな、あれがいいんじゃない?」
「でも、もうはじまりそうだ。間に合わないかも」
「しかたないな、別のにするか」


まるでハンバーガーのコンボを
どれにしようかなと迷って注文するのとおなじような態度。


どうやら彼らも
消去法だが「アーティスト」を見ると決めたらしい。


そっかー、シネコンって、
こういうつきあいかたアリなんだ。


見たい映画がある、
映画館とは
そう決めて足を運ぶ場所だといまだに思っているぼくには
その若者たちの会話は軽いショックだった。


でもちょっと待って。
もっと驚くべきことがあるだろ。


今日はヴァレンタインの夜。
そんな夜に
ふたり仲良く映画を見に来てるきみたちってもしや……。