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なにかあり/とくになし

丸焼き中継

今日は誕生日。
ということで、人生が37周目を迎えた。


自分への誕生日プレゼントということで、鶏の丸焼きを購入。
頸を切り、内臓を取り除き、頭から鉄串を突き刺した鶏たちが、縦回転のグリル器の中をぐるぐると廻るという、売り場での光景には、いつも意味もなく興奮する。
琥珀色、というか身も蓋も無い言い方だが、これがホントの“焦げ”茶色だ。


食するにあたっては、まず、足、腿をねじり取る。
これがアブラッギッシュで最高なのだ。
肉も魚も骨に近いところが一番旨いというが、それは本当に違いない。
だが、淡泊で実の詰まった胸肉が関門になる。
毎回、ここからがツラい。


胸肉の中央にナイフを入れ、むらりと剥がすとキレイに取れるのが“ささみ”。
ほとんど手術のノリである。


今までに三、四回トライしているが、まだ完食は無い。
今日もこんもりと膨らんだ胸肉の固まりを前に、嘆息。
いくら誕生日でも無理なものは無理。


そりゃそうだろ、と突っ込める自分(37歳の大人)でありたい。


だらしなく白身をこちらに向け、力尽きて寝転がる鶏に、心で合掌した。