乗り降りの記
仕事に行くときは、阿佐ヶ谷から総武線に乗り、新宿で山手線に乗り換える。
いつも気になっていたことだが、
電車の乗り降りは何かに似てる。
電車を降りる人はのろのろと、
乗り込む人はせかせかと。
あ、これ、うちの猫を獣医さんに連れてくときと同じ反応だ!
家から連れ出すときは猫バスケットに入るのをあれほど厭がるのに、
獣医さんの前ではそこから出たがらず、のろのろとお出まし。
帰るとなれば、ささっともぐりこむ。
あれとソックリ。
ちなみに、今週号の「週刊モーニング」の「誰も寝てはならぬ」で、
猫(利休之助)を獣医さんに連れてゆく話が載っている。
そちらもご参照ください。
それでだ。
何故、ひとはのろのろと電車を出て、そそくさと乗り込むのか?
両者のスピードが同じようであれば(出来ればせかせか気味で)、
スムースに乗り降り出来る。
毎度のたてこみがもたらす微妙ないらつきはもっと減るはずだ。
つまり、現代人は、外の社会に出ることがおっくうで、
家に帰る(活動を止める)ということの安堵感の方に気が急いている。
そういうことかしら?
と我が家の猫に訊く。
にゃあ(エサくれ)。
ぼくは、せかせかと降りて、
のろのろと乗りたい。