由緒正しき「ルノアール」
恵比寿駅の西口にある喫茶店「ルノアール」が好きで、
最近、恵比寿で空いた時間があると、ちょっとしけこんだりしている。
1時間は空いてないが、30分程度なら、というときに良い。
山手線沿いの坂道への入口に、
道をはさんで二軒あるのだが、
そのうちの、駅ビルから通りを渡った方が断然好みだ。
最近、「ニューヨーカーズ・カフェ」などに鞍替えが進み、
由緒正しき「ルノアール」は減っているとは言え、
都内にある「ルノアール」の数はまだまだ多い。
そのすべてを知っているわけではないが、
この恵比寿西口店の内装は格段に古い。
古さを気取った内装を意識しているわけではなく、
ただ単に時間が経って、
古くなっただけなのだ。
そのほっとかれた古さが、妙に落ち着くのである。
何故か外人客を多く見かけるのも、
この店の特徴だろうか。
しかし、同じ外人でも、こないだ隣り合わせになったようなのは困る。
日本人の若者(サラリーマン風)が、
拙い英語でラムズフェルド長官風の男と会話を交わしている。
どうやら、村上春樹の魅力について一生懸命語っているのだが、
どうも会話の進行が変だ。
「チョトマッテ、ソレドウイイマスカ?」と外人が言い、
「アズ・ア・マター・オブ・ファクト……」と日本人が言う。
何とそれ、駅前英会話の課外授業でした。
あー、茶が冷えた。