条件反射は木久蔵で
条件反射という言葉がある。
からあげを見るとよだれが出る、とか。
ぼくの場合、トイレに入って腰を下ろしたときに、
必ず思い出してしまう話がある。
林家木久蔵が、あるとき「笑点」で言ったネタ。
お題は、手を上げて「あ、しまった!」と叫び、
「どうしたね」と円楽が突っ込むというもの。
「あ、しまった!」
「どうしたね、木久蔵さん」
「ティッシュで鼻かんでからお尻拭くはずが、
お尻拭いてから鼻かんじゃった!」
座布団全部とっちまえ、というこのネタ、
もう20数年前に見たはずなんだけど、今日まで立派に条件反射している。
「笑点」と言えば、
80年代に亡くなった小円遊というダークな噺家さんも忘れられない。
子供心にも、この陰気でヌラッとした男の、凄みは何となく感じていた。
もともと歌丸とやりあっていたのはこのひとだったんだから。