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なにかあり/とくになし

ラグビーパン

ずいぶん前に、ハイファイのお客さんだった大学生の男の子が、
パン屋さんに就職したことを書いた。
アンデルセンという結構、有名なチェーン・ショップだ。


実はパン屋と聞いて、ほんとに軽くだが、ジェラシーを感じた。


本屋とかレコード屋を知る以前に、
何か創作されたものが売られている、ということへの憧れを感じさせてくれたのは
街のパン屋さんに他ならない。


まあ、子供の頃はチョココロネとかでいちいち感動しているわけだが。


給食によく出て来ていた”ラグビーパン”も大好物のひとつだった。
半球状のパンの、亀の甲羅にあたる部分に、
秋吉台みたいなソボロがぶつぶつごつごつとトッピングされていて、
それが非常に甘固い。
変形のメロンパンといった感じ。


どこかのパン屋で似たようなものを売っていたらまとめ買いしたいと
今でも本気で思っているのだが、
ラグビーパンという名称はおろか、似たような形状すらあまり見当たらない。
溶かしたチーズを溶岩風に固めたやつはときどきあるが、
それだと味がまったく違うのだ。


「昔、ラグビーパンが好きでさ」と
ひとに言っても「何だそれ?」と言われる。
熊本県の給食にしか無い、幻のパンじゃないだろう?


人生のどこかでパン屋に就職することがあったら、
ラグビーパンは復活させたことは間違いなかったよ。