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なにかあり/とくになし

夢のゴングショー

「CDジャーナル」10月号届く。
隔月連載「暁の輸入盤ハンター」とDOOPEESのミニ・アルバム評書いてます。


さて、本当なら今日はさる海外のビッグネーム取材の予定だったのだが、
諸事情により急遽延期との報せ。
しかたなく自宅待機となる。


昼間、うつらうつらとしていたら妙な夢を見た。


白黒の世界。
テレビでは素人飛び入りの音楽ショー番組をやっている。
黒人のベーシストがボン、ボン、ボン、ボンと簡単な循環コードを弾いていて、
我こそはと思う者は自分の楽器を持って舞台に上がり、技と音を披露する。
面白ければキンコンカンと鐘が鳴り、つまらなければ退場。
一種のゴングショーである。


そこに、自分の背丈以上はあろうかという巨大な弦楽器を持った黒人男性が登場した。
ティールギターと琴が合体したような奇怪なかたちをしたその楽器を横たえると、
男は予想もしなかった行動に出た!


なんとその楽器に体ごと寝そべらせ、
しゃくとり虫のような姿勢を取ると、
手の親指と足の親指を使って楽器の両端で不思議なメロディを奏で始めたのだ。
うしろで弾いてるベースの音なんか完全に無視。
しかも泣きそうなほど良いメロディで。


と、そのとき、ぼくを起こす現実の声。
あ、そうか。5時になったら起こしてくれやとツマに頼んでおいたのだ。
夜は吉祥寺に出かける予定になっていた。


あの不思議な楽器を弾く男、
鐘はいっぱい鳴らしてもらえただろうか?


起きてしばらくは、その幻のメロディをぼくは口ずさんでいたらしい。
夢の続きを見たいと久しぶりに思った。