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なにかあり/とくになし

丘の一族

昼。昨日書いた、取材するはずだった大物の一件、
結局、企画自体が消滅と電話で知らされる。
もとが降って湧いたような話だったとは言え、何となくブルー。


夜。小林信彦の中篇集「丘の一族」(講談社文芸文庫)を読む。
電車→風呂→寝床と一気通貫
ハイファイのお客さんであるHさんに、
バートン・クレーン(珍妙な日本語で歌う戦前の外人新聞記者)のことが出てくる話があるよと
教わっていたのだ。


その作品は3本目に収録されている「八月の視野」。
バートン・クレーンと名指しはしないものの、それとわかるような扱いになっている。
クレーンさんのCDが今年発売になって、
数々のヘンな歌のことをよく知ってしまった今となっては
「あ!」と思わされる、氏の記憶違いがあるのだが、
”記憶”が書かせた作品を(1977年執筆)
あとから“記録”で揶揄するのはフェアじゃない。


むしろ、あの歌「家へ帰りたい」が小林信彦にはこう聞こえたのかという
事実の方がひたすらに興味深い。


夜半。クレイジーケンバンド新作「GALAXY」。
「混沌料理」という曲に、言い知れない感動を覚える。