実見! 「ユー・アー・ホワット・ユー・イート」!
アメリカをテーマにした短い原稿を書く前にと思って
映画「ユー・アー・ホワット・ユー・イート」をぼおっと見る。
以前にアメリカの友人からダビングしてもらったもの。
確か「レコード・コレクターズ」で長門芳郎さんが
「本当にわけのわからない映画」と評していて、
そんなこと言わずにソフト化したらいいのにと
そのときはやっかんだものだが、
実際に見てしまえば、なるほど、これはそういうものだ。
ひとことで言えば、
ドラッグ・カルチャーの行き場のないモンタージュ。
以前の日記で「ユー・アー・ホワット・ユー・イート」
すなわち「食べているものを見ればそのひとがわかる」という意味だと書いた。
つまり、この映画の登場人物が食べているのは
マリファナおよびLSDをはじめとした各種ドラッグという解釈なんだろう。
こうなりますよ、というか、
世界はこう見えるようになりますよ、という指南映画。
中盤、唐突に登場するタイニイ・ティムは、
一見以上の価値がある。
彼はラリってない。本気だ。
ところで、映像や、とりとめのないストーリーよりも気になったのは、
ジョン・サイモンが担当したサウンドトラックの豊富さだ。
当時リリースされたサウンドトラックに未収録の、
才気があふれまくったインスト・トラックが随所で山ほど流れている。
「マイ・ネーム・イズ・ジャック」ですら、
サントラ盤に収録されたものはフェイド・アウトだが、
映画で流れるヴァージョンはアウトロのエレピ・ソロが長い長い、ずいぶん長い。
コンプリートなサウンドトラック、
サンデイズドあたりで2枚組でやらんかね?
そして原稿という宿題はすっかり忘れてしまっているのである。