ひょうたん、かきあげ、巻き尺
吉祥寺から帰る電車の真向かいに座った妙齢のご夫人。
紫ラメのご衣装でいらっしゃる。
やけに大ぶりのバッグから、チラ見えしたものに絶句。
それは、デカい、デカすぎるひょうたんだった。
それから数分後の阿佐ヶ谷駅。
ホームから下る階段途中、
「かきあげ! かきあげ!」と絶叫する初老の男性。
よく見ると、携帯電話で今夜のおかずについて
家人と談義しているらしかった。
さらに駅ビルを出ようとすると
入れ違いに入ってきたのは
手に鉄製の巻き尺を持った男性。
何故か数十センチほどピンと伸ばしたまま、ずんずん歩く。
ライトセーバーか?
かように日常の不思議は我々の周りにあふれている。
これはさしずめ、生活の中のSFですかな。
歩くん、お誕生日おめでとう。