「新さん」異聞
渋谷の文教堂書店に「新さん」(泉昌之)のコミック文庫が
常時“面出し”されていることは以前に書いた(06年12月25日)。
正確に言うと、その横にはご丁寧に
谷口ジローと久住昌之コンビによる「孤独のグルメ」(扶桑社文庫)も配置してある。
気の利いた、利きすぎたフォローだ。
その後、年末年始にいろんな書店に行ったが、
いまだかつて「新さん」の面出しはおろか、
普通に売っているところを発見するのも難しい。
「ここに無ければ無いんですよ」
ああもう、そんなつれなくしないで!
というわけで、文教堂。
あの店の、どこかで誰かが密かにニヤリ。
「今日もまた『新さん』売れた」(店員の心の声)
一度、思い切って訊いてみようか。
こいつの仕業に違いないと思わせる怪しい店員、いるはずだ。
「あのお、『新さん』って本を探してるんですけど」
「はいはいはいはい! 来ました来ました! クワッ!」(同じく心の声)
でも外したらどうしようか。
「はあ? 何言ってんの、こいつ?」(さらに心の声)
そのときは
「ここにあるでしょ! ここですよ! 覚えとけ!」(これは声に出す)
と、客であるこっちが逆に売り場まで連れていったりして。
うーん。「新さん」のことを書くと、
ブログまで「新さん」風になるようだ。