mrbq

なにかあり/とくになし

からだに悪いものはこころに優しい

雨より細い雪が降った。
チラ見せの冬。


発売延期になっていた
アンディ・ウィリアムスの歌う「味の素」CMソング集
「マイ・ファミリー」(ビー!スマイル)を買う。


70年代初めに7インチのピクチャーディスクで出回っていた
日本語ソングの完全版。


しかし、完全版とはいえ、
3曲+CM使用時の30秒ヴァージョン、
全部合わせて4分半。
潔いにもほどがあるが、
中途半端な増量を排したんだと思うことにする。


なんせ小林亜星の曲がよい。
からだに悪いもの(あくまで摂取過剰は、ですよ)は
こころには優しいのだ。


そっけない解説しかないのが寂しいが、
これらの曲が1969年12月24日に録音されたという事実は
とりあえずわかった。


時代の分岐点にくさびを打とうとする作業には
どんなことであれ、興奮と躍動がじわっとにじむ。


そんな人工的な多幸感にまみれたあとで、
風呂で読むのは現世の不幸感。
福満しげゆき僕の小規模な失敗」(青林工藝舎)。


この男、上から世間を見下ろすことを絶対に許さない。
こちょこちょとくすぐられるように身に沁みて、身につまされる傑作。
いい感じ。やな感じ。いい感じ。