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なにかあり/とくになし

「タモリ倶楽部」に実相寺の影を見た

ひょっとしたら気のせいかもしれないのだが、
こないだ放送していた「タモリ倶楽部」のカメラワークは
どこかおかしかった。


この日の放送はアルミニウムをテーマにした回。
ときおり明らかにヘンなショットがつなぎで入る。
何気なく見ていても、ちょっと気味が悪い感じ。
精度の悪い引きのショットだったり、
明るさの違う手持ちカメラで取った不自然な顔のアップが入る。


リズムで言えば変拍子(あるいはもたつき)。
コードで言えば不協和音(あるいは音痴)。


単にカメラの数が足りなくて、
間に合わせで編集したために
そういうことが起こったのかもしれない。


だが、そうだろうか?


こういうときはいつも、
亡くなった実相寺昭雄さんのことを思い出す。
氏の伝記やエッセイなどを読むと
TBS勤務時代に行っていた
ぶっとんだ演出の数々にときおり触れてある。


たとえば歌謡ショー番組で
歌っている女性歌手の顔のアップに
ヘドロのせいで汚れた公害の川をインサートするなど朝飯前。
もちろん、そこには痛烈な主張があるわけだが、
時代を超えてひやりと汗をかかざるをえない。


ウルトラ・シリーズにおける演出の
突出した美学についても、言うまでもない。


で、それをいきなり「タモリ倶楽部」とつなげるのも
妄想の乱暴だとわかってはいるものの、
書いておかないと忘れそうなので記しておく。


いや、でも、あれ、
ホントに何かおかしかったんだよ。