寝顔盗撮魔

電車でもう一日引っ張ろう。

帰りの総武線で出くわした光景。
目の前に座る女性が疲れた様子ですやすや睡眠中。
その様子を真正面からデジカメに撮ってるやつがいる。
失礼な！

荒木経惟さんが一時期、電車に乗り合わせたひとたちの
顔写真撮影に凝っていたころ、
必ず「撮りますよ」と声をかけてから
シャッターを押すと言っていた記憶がある。

確か、その理由として挙げていたのが
「意識させた方が、そのひとの人間が出る」
というような意味のことだった。

無意識にとか、
さりげないとか、
そういうことには身を任せないんだなと
このひとのアーティストとしての覚悟に感じ入った。

で、この寝顔盗撮魔！
おまえはいったい何だ！

と、フンガイしていたら、電車は高円寺。
男は眠っていた女性に声をかけて、
ふたりで仲良く降りていきましたとさ。

なんだ、凝ってたんじゃなくて、
恋してたのか！