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なにかあり/とくになし

ああ、朝●龍

ライターをやっていると、
それなりにいろんなひとに取材する機会がある。
その中で、
ぼくが逃した最大の獲物というか、
文字通りの“超大物”への取材依頼といえば、これしかない。
横●、朝青●関。


依頼は突然だった。
少しだけ仕事をしていた、とある情報誌から。


期日は明日。
場所は伊勢●宮。
時間は朝10時。
現地集合!
取材時間は15分。
ただし、横●のご機嫌次第では
この日の取材は行われない可能性もある。
その場合は、交通費は保証する。


だいたい、そんな内容であった。


今から考えれば、
スポーツ取材なんかしたことがない音楽ライターに
突然のお鉢が回って来たのは、
いくつかの考えられないアクシデントの連鎖による
奇跡的な着地としか思えず、
受けておくべきだった。


だが、その日は
テリー・サザーン「レッド・ダート・マリファナ」の
翻訳原稿最終入稿日と見事にバッティング。
さんざん迷惑をかけていた担当編集者Tへの義理は断ちがたく、
結局、朝●龍を心の中から押し出しした。


あのとき、結局、取材が実現したのかどうかも知らない。
スポーツ記事の依頼も、それ以来ない。


それにしても、もし伊勢に行ってたとしたら、
いったい一問目に何を訊いたんだろうね、おれ?
テレビで横●の談話シーンを見ると、
未だに少しゾクゾクとするのだった。