Music & Lyrics
ヒュー・グラントとドリュー・バリモアが主演している
「ラブソングができるまで」を見た。
原題は「Music & Lyrics」。
予想外におもしろいといううわさは本当だった。
素晴らしいのはサウンドトラックで、
クレジットを確かめたら、
ファウンテンズ・オブ・ウェインの
アダム・シュレンジャーの仕事だった。
グラントのかつての全盛期を飾ったヒット曲として、
80年代のエレポップやジョージ・マイケル風を模して
この映画のために用意された曲は、
どこかで聴いたことがありそうで、どこにもないという
素敵な条件を満たしている。
その予期せぬ心地よさは
映画やミュージカルのために曲を書いていた
20世紀前半のショウビズ・ミュージックの伝統を
思い出させてもくれた。
“自分”というものの存在が
どこかで音楽の邪魔をしていると思うとき、
こういう発注に身を委ねてみるのは、
ひとつの手段としてアリかもしれない。
DEVOのマーク・マザースボーや
ジョン・ブライオンも、
映画音楽ではずば抜けて良い仕事をしている。
ヒュー・グラントの歌声も、
色っぽくて、へろへろで、
とても良かった。