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なにかあり/とくになし

風呂読本とせっけん

万札をくずしたかったので本屋へ。
漫画の新刊でこれというのが無かったので、
深く考えもせずに
吉行淳之介「懐かしい人たち」(ちくま文庫)を手に取る。


親交が少なからずあった友人たちへの
追悼文の類を集めた一冊だった。


帰宅後、
風呂で読みながら気付く。
こりゃ前に読んだことがあるかもしれん。


奥付を見ると、
氏が亡くなった94年に講談社より原著は刊行とある。
ひょっとして部屋のどこかに
その本はあるような気がする。


しかし、当然ながら
無類に面白い。
過去に買っていたとしても
その内容を忘れているか、
それとも上質のレコードのように
何度聴いても(読んでも)面白い一冊だということなのだろう。


適度な長さ(短さ)、
語感、脱線、着地、
好みの度合いになっている。


興に乗ってきたところで、いったん風呂桶の外へ。
へちまタオルで身体を洗おうと思い、
新品のせっけんをごしごしやっていたら、
手が滑ってスコーンと風呂桶の下に逃走。


そのまま二度と出て来ない。
急に恥ずかしくなった娘みたいに、
永遠に隠れてしまった。


せっけんの行方が気になるし、
ツマに謝らないといけない。
あれは“おろしたて”のブツだった。


本日の風呂読本はこれにて中止!