読書の秋、競艇の秋
ときどき競艇のことを書く。
しかし、競艇場にはもう2年以上行っていない。
もちろんそれ以前だって、
決して足繁く通っていたわけではなかったが、
少なくとも競馬や競輪にはまったく感じない類の
好奇心とシンパシーを持って
今も競艇のことを気にかけ続けている。
今年、歴史的フライングの直後に
結局あっさりと引退してしまった艇王こと植木通彦の不在も
ぼくに西武多摩湖線(多摩川競艇場)や
京浜東北線(平和島競艇場)までの道のりを
どこか億劫に感じさせる一因となっている。
それでも
日常生活の中でひょっこりと競艇熱が首をもたげる場面がある。
たとえば、道を歩いていて
カーブで前を歩くひとを追い越すときに
「差し」か「まくり」か、
あるいは「つけまい」かと
ボートのワザになぞらえて考えている自分がいる。
このカーブでは実に良い「差し」が出来た、とか。
抜かれたひとにはまったく何の関係もない話だが、
曲がり切ったところから直線をぐんと伸びるボートのように
ぼくは速度を速めて歩きさってゆくのだった。
ちなみに、
今日は帰り道に文教堂書店の前でキャビって(ボート用語)
そのままエンスト。
山岸涼子「アラベスク」文庫版(白泉社)や
石塚真一「岳」5巻(小学館ビッグコミックス)を買って帰った。
読書の秋、競艇の秋。