ヴィンセント・ベル
福田教雄さんから
彼が作った新雑誌「スウィート・ドリームス」を
送っていただいた。
中に
ニューヨークのセッション・ギタリスト、
ヴィンセント・ベルを紹介しているページ(水上徹)があった。
それを読みながら、
ハテ?
つい先週、このギタリストの話をどこかで読んだわと
ガサゴソ探すはめになった。
その本は
「トイレットペーパー」(マガジンハウス)といい、
アメリカ文化史の小ネタ集といった一冊。
発行は91年。
行きがけに古本屋の100円ワゴンで買った。
タイトル通り、
トイレで用を足しながら読むのにちょうどいい
短い話が並んでいる。
その中に、
ヴィンセント(ヴィニー)・ベルが出てくる。
当時の人気ポップス番組「フラバルー」に
サイモン&ガーファンクルが出演したとき、
ポール・サイモンがバックバンドのギタリストに
「この曲はこういうフレーズでね」と教えていたとき、
その説明を聞かされていた当人が
「全部知ってるよ、だってそれオレが弾いたんだから」と
心中で思っていたが言わずにおいたというお話。
サイモン&ガーファンクルの
「サウンド・オブ・サイレンス」をヒットさせるにあたり
彼らに内緒でギターをダビングした男であり、
「フラバルー」のハウス・バンドのギタリストだった男が
ヴィンセント・ベルだったのだ。
一週間のうちに二度も
40年も前に活躍した職人ギタリストの話を
読むことになろうとは。