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なにかあり/とくになし

If I Could Write A Book Like This

こないだの「アメトーク」を見ていて
もう一個気付いたことがあったのを
書き記しておくのを忘れていた。


芸人、土肥ポン太
大阪の生野区で八百屋を営んでいるのだが、
その八百屋としての日常を追った映像のBGMに驚いた。


そこで使われた3曲ほどの曲を
ぼくはすべて知っていたからだ。


そのとき流れたのは
ア・バンド・オブ・エンジェルズ「Accept My Invitation」
タイムボックス「Soul Sauce」
ザ・チャンツ「If I Could Write A Book」
順不同。


おそらく
60年代イギリスのPYEレーベル周辺の
シングル曲を集めたコンピCDからの選曲だと思う。


この3曲を選んだのは
ディレクターなのか、
それとも映像編集のスタッフか、
いい趣味してるぜと思う。
というか、ぼくと気が合う。たぶん。


ああいう番組の
ああいう場所で
誰に向けたのかわからない選曲が流れていて
たまたまそれをキャッチしてしまうと
祈りのようなものを感じて
胸がくるしくなり
ヘンな夢を見る。


その晩、
体育館でレコードを売っている夢を見た。
何かの大会の開催中で
ひとはいるのだが、
レコードはなかなか売れず
うなされてしまった。


チャンツについては、
のちにリアル・シングというソウル・グループに発展する
60年代のUK黒人ポップ・ソウル・グループで、
先月号の「ミュージックマガジン」の
「めかくしプレイ」というコーナーで
エドガー・ジョーンズが名前を挙げていた。


「If I Could Write A Book」は
ミュージカル「パル・ジョーイ」の中で歌われた曲で
バラードになることも多いが、
彼らは見事なアップテンポ・ドゥーワップに仕立て、
ささやかな願望を
胸を張って大きな声でうたっている。


そんな「もしぼくに一冊本が書けたら」という気分を
小西康陽「ぼくは散歩と雑学が好きだった。」(朝日新聞社)に
捧げます。
「Book」のあとに「Like This」を付けて。


ヴァージョンは、もちろんチャンツで。


広川太一郎にレスト・イン・ピース。