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なにかあり/とくになし

ソウル・フラワー・トレイン乗り過ごし

昼間は取材。
高層ビルの上のカフェ。
窓を叩く雨風が強い。


無事に終わって移動中、
ロビン西「ソウル・フラワー・トレイン」(BEAM COMIX)を広げる。
90年代に発表された作品を中心にした短篇集。


勢いをあやまった人情話ばかり。
おもしろい。


この作家が、
すぎむらしんいちあたりが今いるポジションに
座っている可能性もあったのだと
今さらながら思い知る。


映画化もされた「MIND GAME」は
間違いなく傑作だが、
そのときについたよけいな尾ひれのようなものを
もう一回取り払って
自由に話を読んでみたい。


表題作「ソウル・フラワー・トレイン」がたまらない。
結末まで読みたくて
ひと駅乗り過ごしてしまった。


「ソウル・フラワー・トレイン」は、
あのバンドがタイトルの下敷きにあるのだろう。
「虹のマリちゃん」(91年発表)なんて
元ネタ、ローザ・ルクセンブルグじゃないのか。


本人解説、釈明の類は一切なし。


ぶるっと震えた。