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なにかあり/とくになし

ストーニーのエンド

ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド。


やけに長い名前の
ディスコのような
ジャズのような
ヴォードヴィルのような
甘酸っぱい
摩天楼産架空ソウル・グループのことを
知ったのは20年ほど前。


当時働いていたディ●ク・ユ●オンの社員だったひとに
「松永クン、これいいんだよ。誰も買わないけど」と
教えてもらった。


ほどなくして
そのひとは栄養失調で会社を辞めて
故郷に帰られた。


それから何年かして
サバービア隆盛の流れの中で
サヴァンナ・バンドが一躍再評価を受けたときも
そのひとのことを思い出したりした。


渋谷系と栄養失調という単語の
不釣り合いなバランスが
ぼくをどこかで踏みとどまらせたのではないかと
何となく思うときもある。


サヴァンナ・バンドは
作詞担当のオーガスト・ダーネルことキッド・クレオール
のちのコーティ・ムンディことアンディ・ヘルナンデス、
かわいらしい声とチャーミングな巨体の
魅惑のコリー・デイお嬢さんが
三枚看板だったのだが、
サウンドの要をにぎっていたのは
作曲家でキーボード奏者の
ストーニー・ブラウダー・ジュニアの世界観だった。


そのストーニーが
2001年に亡くなっていたことは
あまり知られていない。


どんな最期で
どんなお葬式だったのだろう。


サヴァンナ・バンドのアルバムみたいに
にぎやかで切ない感じだったらと
願いたい。


キッド・クレオール&ザ・ココナッツ
90年代のアルバムで
ストーニーとコリーをもう一度呼び戻して
2曲だけ一緒にやっている作品があるのだと
つい最近聞いた。


それが今一番探しているアルバムだ。