スティーヴ・ファーガソンのこと
オールナイトのDJ@高円寺コネクシオンから帰ってきた朝、
NRBQの日本ファンクラブNRBQ*Japanで
スティーヴ・ファーガソンが重い癌に冒されていることを知った。
スティーヴ・ファーガソンといっても
NRBQの、
それもよほどのファンでないと
すぐにはピンとこないかもしれない。
リーダーのテリー・アダムスと
少年時代からの旧友で
NRBQの結成、デビューと苦楽をともにしたが、
セカンド・アルバム発表後に脱退し、
自分の道を進むことを選んだ初代ギタリスト。
独学により身に付いた鋭角的なギタープレイは評判を呼び
ジミ・ヘンドリックスやジミー・ペイジも
彼のギターを聴くために
ニューヨークの小さなクラブを訪れたという。
それはまあ、
今から40年近く昔の話。
もっと最近の話なら、
テリー・アダムスとの旧交復活ということで
2006年に連名のアルバムをリリース。
その勢いで、まさかまさかの来日も果たした。
神秘的な風貌と
なるほどこれは伝説のプレイだと思わせる
指力優先のイマジネイティヴなギター。
しかし、
そのひと自身は
多少の偏屈さは持ち合わせつつも
人間を信頼することが
音楽を信頼することだと行動で物語るような
ポジティヴなオーラの持ち主だった。
今思い返してみたら
2006年の7月29日と30日に続けて
スティーヴのこと、
そのときの来日のことを書いていた。
彼の病状を案じて
地元の友人たちはいろいろな支援をしているそうだ。
何か手助けになることが言えるわけでもないけれど
この場を借りて、
スティーヴ・ファーガソンというギタリストのことを
少しでも知ってもらえるようにと書くことにした。
心配なんかしない。
あの南部の焼け土から割れて立ち上る煙のような
すごいギターをまた弾けるようになるはずだと
今は信じている。