mrbq

なにかあり/とくになし

親子丼は黄金の絨毯だ その2

渋谷駅上、東急プラザ西館8Fで開催されている
秋田物産展で提供中の
比内産鶏使用の親子丼ポスターに目を奪われ
夕方から列に並んだ松永良平だった……。
(前回までのあらすじ)


待ち続けること数分、
ようやく列が進みだし、
なんとか席にありつく。


デパート内に無造作に作られた場所なので
しょうがないことかもしれないが、
壁から突き出た30センチほどの板をテーブルに見立てて
壁に向かって食事をするというのは
秋田の風情として、どうなんだろうか。


昔、ぼくが働いていた店の店長が
「壁に向かって客を座らせるような店には
 絶対に行く気がしない」
と、呪文のようによく言っていたのを思い出した。


それはともかく
親子丼の見栄えは素晴らしいもの。


複雑に波打つ半熟玉子と
炭の香りがほんのりと漂う鶏。


肉質はちょっと固いか。
うん、ちょっとじゃない。
ずいぶん固い。


でも、美味い、美味い。
肉美味い!(福満しげゆき風に)


完食したあと、
電話でフジセにこれから戻ると告げ、
ついでに肉が固かったと感想を伝えた。


ハイファイに戻ると、フジセは言った。
「肉が固かったということは
 それだけ鮮度が良かったということじゃないですかねえ」


たまたまハイファイに居合わせた
親子丼通(?)の常連M氏と
そんな話をしていたのだという。


はて、
そんなものなのかねえ?


物産展の活気を思い出しながら
あそこならハイファイのレコードでも
「秋田買付」とかステッカーを貼ったら売れるかしらと
そんな妄想をしながら再び仕事を始めた。