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なにかあり/とくになし

インプレッションズ・オブ・ジョン・ブライオン

甥っ子(兄の息子)の8歳の誕生日。
おめでとうございます。


8歳のとき
ぼくは「バッカン'78」という
「Gメン'78」に影響を受けた漫画を
メモ帳で発表した(クラス内で)。


ストーリーはもう記憶にないけど
主人公の絵はまだ描ける……。


ところで先日、
ジョン・ブライオンを見た。


いつ、どこで、
なんて訊かないで。


金曜日の夜
ライヴハウス、ラルゴ(LARGO)でに
決まってる。
映画やプロデュース仕事の合間を縫って
彼は毎週ここに現れる。


見たのは
どっかの金曜日。


うわさに聞くこと8年以上、
ようやくたどりついた。


前半は
ピアノ、ギター、ドラムを駆使した
マルチ・インストゥルメンタリストの面目躍如。


多重録音なのに
あきれるほど人間臭い。


そうかと思えば
後半は友人たちをまじえたセッション大会。


ぼくが見た日は
何とブルーグラス・ジャムだった!


ルーツ・ミュージックなんて
狭苦しいカテゴリーと
押し付けがましい良心を
軽く笑い飛ばしてみせる。


自分が生きて
聴いてきたものは
いつどこの誰の音楽だろうが
すべてルーツだ。


音楽に
なだれ落ちるように倒れ込み
ひるがえってはアイデアをめぐらせ
くんくん匂いを嗅いでは反芻し
解体しながら構築し
計算しながら我を忘れる。


ああ、
ぼくがミックスCDをつくるとき、
いえ、
ぼくが何かものを書くとき、
ジョン・ブライオンのライヴみたいな世界を
作れたらどんなにいいだろう。


アル・クーパーポール・マッカートニー
ジミー・ペイジデヴィッド・ボウイ
組んだウィングス


いやそれとも、
ニルソンとジョン・レノン
ランディ・ニューマンニール・ヤング
組んだバッファロー・スプリングフィールド


それをひとりでやる男、
ジョン・ブライオン


久々に
見てはいけないものを見た。


今年、
ラルゴはフェアファックス通りから
ラ・シエンガ通りに移転した。


みなに親しまれたレストラン形式から
古い映画館を使ったホールでのライヴに変わったけれど
「音楽的なチャレンジの幅は広がった」と
ジョンは言った。


そう、
終演後、
建物の裏手で
外付けの階段から楽屋に上がろうとしていたジョンに
ぼくは偶然会ったんだ。


もしあなたが
来週の金曜日、
仕事を昼で切り上げられるなら
成田を夕方に出る飛行機に乗ってアメリカに向かい、
夜はラルゴでジョン・ブライオンを見よう。


世界が滅びる前に
絶対にしておかなくちゃならないことの
ひとつだ。