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なにかあり/とくになし

つくもはじめ記念日

原宿駅に早めに着いたので
表参道と明治通りの交差点にほど近い場所にある
お昼の2時間しか営業していない
ストイックなちゃんぽん屋
「つくも」を訪れた。


11時半の営業開始をわずかにまわったところで
引き戸を開けると
店内に先客は一名のみ。


発見して以来の念願が、
あっさり叶った。


長くはないが
たまに行列が出来ている場面にも
出くわしているから、
こいつは新年から縁起がいいぜ。


ちゃんぽんを注文して
少しすると
三々五々とご来店あり。
みるみるうちに満席(といってもカウンターの8席しかない)。


「あけましておめでとうございます」
「今年もよろしくお願いします」
サラリーマン風のいでたちをした客層からは
次々と無口な店主にさりげなくごあいさつ。


その呼吸というか間合いは
週に一回以上は通っていないと出せないものと見た。


そんな常連さんに囲まれて
ぼくはしがない一見(いちげん)さん。
しかし、店主は
どの客をひいきにするでもなく
淡々と接し、
余分な愛想を振りまかない。


そして問題のちゃんぽんのお味だが、
グルメブログではないので、
多くは語りません。


素朴で飾らず、ほっとする。
極上とか絶品とは違う種類の安心感。


それは露骨な長崎っぽさというよりも、
誰にでもある“地元感”というものの方に
近いのかもしれない。


いずれにせよ、
ぼくは「つくも」に味をしめた。


新年に
はじめて「つくも」に行った。
だから今日は
つくもはじめ(九十九一)記念日。