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なにかあり/とくになし

ラヴ・イズ・ストレンジ

何年か前につくった編集CDが出て来た。


一曲目から知らない曲、
というか完全に忘れている曲で
たじろぐ。


これは本当におれか……?


3曲目あたりで
ようやく落ち着く。


ウィングスの「ラヴ・イズ・ストレンジ」。


「ワイルド・ライフ」に入っている
ミッキー&シルヴィアのカヴァーだ。


遠い昔に聴いて
たるいなあと思い、すぐに売り飛ばした記憶しかなかった
ウィングスのデビュー・アルバム「ワイルド・ライフ」を買い直したのは
フラッシュ・ディスク・ランチで。


拙著「20世紀グレーテスト・ヒッツ」での
椿正雄さん(フラッシュの店長)へのインタビューで、
「松永くんがウィングスを買った」というくだりが出て来るから、
ちょうどその取材のころに買ったのだとわかる。


6、7年くらい前なのか。


当時、これを買い直した理由は
ぼくの考える
日本で一番SF的なシンガー・ソングライター宮崎貴士さんが
ライヴで「ワイルド・ライフ」に入っている
「トゥモロウ」をカヴァーしたのを聴いたからだった。


その宮崎さんは
新しいバンド、図書館をやっている。
ファースト・アルバムがもうすぐ出るという話だ。


そう言えば
こないだ図書館のことで、あるひとから電話がかかってきた。


「今度出る図書館のニュー・アルバム、
 試聴会やるんでよろしく!
 一千万円クラスの機材を使ったオーディオ・ルームでやりますんで!」


資金の足りないマッド・サイエンティストの見る夢みたいな
宮崎さんの音楽が好きなぼくは、
あの音楽が最高級の音響から飛び出してくる
その不似合いなシチュエーションを想像しただけで
ちょっとしびれた。


さっきのCDは
今でも大好きな曲と
今ではちょっと恥ずかしい曲と
今はもう思い出せない曲とが入り交じりながら
まだ周り続けている。


告知です。


ハイファイ・レコード・ストアブログ
「The Cool School」という連載を始めてみました。