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なにかあり/とくになし

ワッコ・ジャッコ

日本のマイケル・ジャクソン報道で
あまり使われない単語。


それは
“ワッコ・ジャッコ”。


90年代以降の
マイケルの奇行を指して
アメリカ人たちが言い始めた。


ワッキー(Wacky)なジャクソン、
それをさらに間抜けな言い方にして
“ワッコ・ジャッコ(Wacko Jacko)”。


無理矢理日本語に訳せば
“変態ジャクソンくん”みたいな意味かな。


アメリカのニュース番組では
彼の偉業を流すだけでなく、
というかむしろ、その同量の時間をかけて
“ワッコ・ジャッコ”な部分も検証する。


賛否両論はあるだろうが
キング・オブ・ポップ”と
“ワッコ・ジャッコ”が
平等に報じられるバランス感覚は大事だと思う。


忌野さんが亡くなった途端に
メディアの態度が礼賛一辺倒になり、
信念と反抗のひとになってしまったことに
ぼくは違和感がぬぐえなかった。


だから
ラスト・シングルになった「Oh! RADIO」のPVの
オフビートな感覚がとても好きだ。


5年ほど前に
旅先の鹿児島で
突然、短編映画を撮ろうと思い立って
井出情児さんを呼び寄せて撮った映像をもとにして
このPVは制作されたのだという。


お蔵入りするはずだった映像が陽の目を見たのは素晴らしい。


何よりも
なりゆきまかせのいい加減さが映像からあふれ出ていて
とても忌野さんらしいじゃないか。


そういう清志郎の話なら
ぼくはずっと話していたい。