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なにかあり/とくになし

残暑残想

飛行機を降りるとき
「機内に比べ外は大変お暑くなっております」というアナウンスを聞いた。


以前はこんなアナウンスは聞いたことがなかった。
想像よりもずっとシビアに
日本は亜熱帯化しているのだろう。


しかし、
外気に触れてすぐに気づく。
あ、出かける前と暑さの質が変わってる。
もわっとした熱気は相変わらず強いけれど
その内側には
すっと身を引くさびしさがある。


夏がどうやら終わってしまう。
暑さは残っているけれど
活気に欠ける。
きっとそれは残暑でしかない。


8月のお盆を挟んだ10日間ほど不在にしただけで
夏を逃したことを実感させられた。


とっくに終わってると思っていた高校野球
まだ準々決勝の手前で熱戦を繰り広げていて、
どこが勝ち残っているのかもわからないが
ぼんやりと夏をひきずっていた。


おぼろげな夏を
引き止めたくて
ロス・ロボスの「コロッサル・ヘッド」を聴いた。


今回のアメリカ滞在中には
ロス・ロボスとロス・ロンリー・ボーイズの対バンという
ありがたいコンサートを見ることが出来た。


今日はそれを書く余力がないので
後日にあらためるつもり。


ああ眠い。
「コロッサル・ヘッド」に対する唯一の不満は
このアルバムのアナログ盤が作られていないこと。


むき出しのターンテーブル
このレコードをジャケットからひんむいて
黒いとぐろを巻くようにくるくると回る夢を見たい。
きっとそれは夏の妄想の暴走だ。