mrbq

なにかあり/とくになし

イルリメ忍者説とカッコイイナイトと阿波踊り前夜と

混雑きわまる高円寺SHOW BOAT
のめりこむように身を滑らせて場所を確保。
Cool Wise Menの変名ユニット、
Little Wise Menの出番の終盤だった。


ふと横を見ると
イルリメが立っていて
お客の顔をしてライヴを見ていた。
あれ? 今日、出演でしょ?


その気配の消し方、
それは忍者?


そう言えば、
こないだ見た映画「異聞猿飛佐助」(1965年)のことを
書いてなかったなと思い出した。


阿佐ヶ谷ラピュタで開催中の
武満徹の映画音楽」というシリーズ中の一本で
休みの日に衝動的に見に行った作品。
監督は篠田正浩


決意決断行動迅速な忍者、猿飛佐助を演じる高橋幸治
やせていて目がぎょろっとした顔つきが
途中からどうしてもイルリメにしか思えなくなってきた。


そうなると、
本筋のキャラ設定は完全にそっちのけ、
イルリメ、がんばれ!」
イルリメ、あぶない!」
と勝手に感情移入して見ていたのだった。


今日
しれっと横に立ってライヴを見ているイルリメ
猿飛佐助がよけいにオーバーラップ。


ご本人にとっては迷惑な話かもしれませんですが。


リトル・ワイズ・メン終了後、
「今日、出演でしょ?」と話しかけると
「最近(共演のライヴを)見るようにしとるんですよ」との屈託なき答え。


その言葉の真意は聞き損ねたが
計算高さとは縁のない
不思議な誠実さが胸に残った。


演者イルリメとしての本篇も
またしても
誠実かつ捨て身なおもてなしの精神に満ちた
すげえいいライヴだった。


本日のイベントは
伊藤大地プロデュースの「カッコイイナイト3」。
ほかの対バンは
グッドラックヘイワ野村卓史伊藤大地
10年前に在籍していたON THE ON THE BUSH、
そして浜野謙太率いる在日ファンク


ON THE ON THE BUSHは
10年ぶりの再始動ということで
同窓会的な内輪感を想定していたら
想像を心地よく裏切る
オリジナリティのある日本語の歌ものファンクだった。


ヴォーカリストの野太くうねりながらよれるグルーヴに
「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」を感じたという比喩は
若いメンバーには通じなかった!


これはかなりの褒め言葉、のつもりなのです。


ラストを堂々締めた在日ファンクまで
転換の手際よさも含めて
最後までだれずに引き締まった良いイベント。


打ち上げであやうく深酒してしまいそうになる前に
SHOW BOATを出た。
実は夜のDJに完全に遅刻であった。


明日から始まる高円寺阿波踊りを前に
なんとなく浮き足立つ高円寺の街を早足で歩く。
ようやく着いたコネクシオンの壁には
和製エレキ・サウンズ
ザ・スペイスメンの名盤「アワ・クレイジー・ダンス」の
オリジナルLPが飾られていた。