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なにかあり/とくになし

雑フード・グレーテスト・ヒッツ

ドトールのミルクレープには
さからえないと思っていた時期があった。


3時のおやつにミルクレープ、
通りがかりにミルクレープ、
何はなくともミルクレープ。


いい加減なもので
ある時期を境に
すっと波が引くように食べなくなってしまったのだが、
こないだ久しぶりに注文してみたら
やっぱりミルクレープには
ぼくを惹き付ける何かがあった。


まるで
ヒット曲みたいなものだ。


カロリーメイトのフルーツ味、
渋谷駅ビルにあるパン屋さんのクロワッサン、
アメリカのスーパーに売っている皮むきピスタチオ、
そのあたりが
ぼくにとっての近年のヒット・シングルということになるだろうか。


主食というほどの重さがない
スマッシュ・ヒットと表現したい
軽いさわやかさでぼくを奮起させた雑フードたち。


ヒット・シングルが溜まってきたら
アルバムを作らなくてはいけないとも思っている。


そのときは
カルビーのポテトチップス(塩味)になるだろう。
A面の一曲目を飾ってもらう。


B面の一曲目は
ベビースター・ラーメンのチキン味か
日清やきそば(カップ麺ではなく袋入りの方)になるだろう。


トッド・ラングレン
アルバム「サムシング/エニシング?」の一曲目に
「アイ・ソー・ザ・ライト」を入れた理由について
歌詞カードのセルフライナーで
モータウンはヒット・シングルを必ずアルバムの一曲目に入れるから」と書いている。


そのポリシーに
ぼくも従いたいと思うからだ。


ミルクレープは
今ならB面の2曲目に入ってくる。


その場所は
意外とメロウな隠れ名曲が多く位置する、
LPレコードにおける遊撃手みたいな場所なのだ。