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なにかあり/とくになし

つまる

つまらないの反対は
おもしろい、でいいんだろうか。


日本語の文法的に言うと
ただしくは“つまる”だろう。


あれ?
でもちょっと待って。
のどにものがつまったりしたら大変なことになるし、
言葉につまって肝心なことが言えなかったりするのも困る。


つまらない、ってのは
本当はいいことなのかな?


それとも、
つまる、ってことに
実はものごとをおもしろくする意味があるんだろうか。


今日、
サケロック東京キネマ倶楽部「ねんまつのぐうぜん」2日目を見ながら
ぼくが感じたことになにかのヒントがあるんだとしたら、
たぶん、つまる、ってことは
おもしろいんだ。


高円寺でクリスマスDJを終えて(呼んでいただいて感謝!)
遅れてかけつけたキネマ倶楽部で、
「今の私」に続いて演奏されたのが「エンディング」。
なんと昨日書いた通りに
「エンディング」にぴったり間に合ったのだった。


奇跡はそれからしばらくして
ハマケン方面に舞い降りた。


「京都」で
パンツいっちょうになるべく
踊り場への階段をのぼるハマケンを襲う
ぐうぜんの感電。


「生活」で
わざわざ客席に出向いてまで気合いをいれて
伊藤大地との対決に臨みながら、
トロンボーン一発目の音をまるで吹けず
大盛り上がりになるはずの演奏をこわすという
ぐうぜんの破壊者。


スムースなステージの流れという意味では
あやうくすべてを台無しにしてしまうハプニングが
今夜はすべてしあわせに働いた。


奇跡は
それをたくらむ者ではなく
それを夢見る者に
不意打ちでやって来る。


それをすなわち
毎日の繰り返しを妨げるという意味で
つまる、と言うんじゃないかな。
そういうことが起こらないことを
つまらない、と言うんじゃないかな。


音楽とか
MCとか
演出とか
失敗とか
感情とか
それぞれが何事もなく進むのではなく、
結局全部つまってつまってごちゃまぜになって
とりかえしのつかない状況に追い込まれてこそ、
彼らは
間が抜けた
しかし、うつくしい音を鳴らすのかもしれない。


そのとき
舞台の上の人間も
客席の人間も
頭の中が真っ白になる。


そういう「ねんまつのぐうぜん」の名に値するものがつまったステージを
今日見ることが出来たのは
素直にとてもうれしかった。


打ち上げの席で
浜野さんに
今日は神様から“罪と罰”をごほうびにもらったねと告げた。


よく考えてみたら
罪も罰もごほうびじゃなくて
おしおきだった!