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なにかあり/とくになし

レコードの塔

年末が何だかせわしなくなってきたせいもあって、
気まぐれにCDとDVDを処分することにした。


レコードの部屋に入ると
猫のペン子も一緒にやって来る。


遊びたくて来るのではなくて
昼の寝床にしている場所があるので、
そこをこの男(ぼく)が乱しやしないかと
警戒しにやって来るのだ。


その証拠に
なでようと手を差し出しても
するっと身をかわして
寄りつくということがない。


最近、
さらにペン子の遊び道具になっているのが
レコードの塔だ。


これはいよいよ棚に収まりきらなくなったアナログ・レコードを
どうにかせよという警告の意をこめて
ツマによって無言のうちに建立されたものだ。


アナログ盤を横にして
下から順に積み重ねているだけなのだが、
今日見たら数十センチのところまで来ていた。


まだ比較的安定はしていて、
ゆらゆらとはしていない。


警戒水位かしら。
そろそろ避難(非難)勧告かしら。


さらにわるいことに
ペン子がその塔の壁面で
カリカリと爪研ぎ遊びを始めたではないか。


あかんあかん、
ペン子、それはあかん。


塔の高さには動じないこの宿六も
レコードが猫の爪研ぎの道具にされるとなると
すこしあわてる。


何とかしよう。
正月休みに考えよう。
現実的には棚をもうひとつ買おうか。
それともそれとも。


夜は
渋谷までカーネーション@渋谷O-Westへ。


立錐の余地もない超満員。


もうすこし広いにこしたことはないが、
今夜は汗のにおいと足のしびれを心地よく感じた。
中年以上も目立つ客席にとってこの混雑は
罰当たりな感覚のはずだが
何故か今夜はそれを単なる苦痛とは思えない。


50歳を迎えて今
スタンディングが一番似合うバンドになってるカーネーション
それは稀にもないしあわせ。


ふまじめな生徒は廊下に立ってなさい。
カーネーションを感じたいひとはフロアに立ってなさい。


はい!


前方少し離れた左斜め横に
安田謙一さんらしき大きなひとを見た。
わざわざ関西からここまで? とも思ったけれど、
あの後頭部、あの背中の感じ、
見覚えがある。


しかし、
声をかける間もなく
終演後はおおぜいに飲み込まれ、
体が自由になったときには
とっくに見失ってしまった。


(追記)


安田さんご本人より連絡をいただきました。


人違いだそうです。
ただし、ドッペルゲンガーが現れた可能性はあり、だそうです。