mrbq

なにかあり/とくになし

安藤さんの住所がわからない

セロニアス・モンクが逆光で写った絵はがきを
CDやDVDなど
いただきものをした方々に向けてカリカリと書いていて
ハタと気がついた。


安藤さんの住所がわからない。


安藤さんとは
京都の女性シンガー・ソングライター安藤明子さんのこと。


バンヒロシさん主宰のBAMBIPHONE RECORDSから
前作「Anの部屋」に続いてリリースされた
新作「オレンジ色のスカート」を
送っていただいたのだ。


「Anの部屋」は
プライベート盤みたいな雰囲気の5曲入りだったけど
新作はきりっとした横顔のアートワークが印象的な9曲入り。
帯にはオクノ修さんのコメントあり。


これは是非絵はがきを送らねばと思ったものの、
整理がわるいぼくの悪癖のせいで
住所が書いてあったはずの封筒やお手紙が
行方知れずになってしまった。


それなら
バンヒロシさんに送ろうかと思い
年賀状をあらためて見たが
バンちゃんから来る年賀状には
いつも住所が書いてない。
でもそれがバンちゃんなのだと
ぼくには思えて大好きなんだけど。


安藤さんのブログは拝見しているのだが
ぼくが書きたいのは手紙であって
コメントじゃない。


仕方ないので
絵はがきに書きたかったことを
ここにぶちまけよう。


===================================


拝啓、安藤明子さま


このたびは
新作「オレンジ色のスカート」を送っていただき
ありがとうございました。


きりりとした横顔を映したジャケを見て
直感的に
ナラ・レオン
フランソワーズ・アルディを思い出しました。


いや、
ナラ・レオンにはそんなジャケはなかったかもしれません。
ただ、
ボサノヴァが好きで
ナラ・レオンが好きで
みたいなことを自称する女のひとたちよりも
ボサノヴァみたいでも
ナラ・レオンみたいでもない
安藤明子の歌は
ずっとその本質に近い気がするのです。


いけしゃあしゃあと
元本永久保証の生命保険みたいなラブソングを歌うのではなく、
限りのあるものを
淡々といつくしみながら歌えるその才能に
トゲのある花を捧げたいと思います。


あなたは
きっと
ちょっと
こわいひとです。


ご活躍を祈ります。


松永良平