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なにかあり/とくになし

蓮実さんおめでとうございます

蓮実重臣さんから
とてもうれしいメールが届いた。


第64回毎日映画コンクール
最優秀音楽部門を
映画「私は猫ストーカー」のサントラを担当した
蓮実さんが受賞されたという。


小品と言って差し支えのないあの作品から
音楽が注目されたことそのものが
素晴らしいことだと思う。


猫の敏感な聴覚を再現すべく
街の生活音を細かに録音することに
とことんこだわったあの作品で、
そのばらばらの生活雑音の邪魔を決してしないように
すきまを淡く埋めてゆく音楽、
それが蓮実さんの仕事だった。


威勢のいいスペクタクル風でもなく、
見え見えのタイアップとも無縁。
脇道や狭いところをするするとくぐり抜け、
メザシをせしめる猫のように賞をさらった痛快なる快挙。


我が家の猫ペンコに
近寄れば逃げられる
毎日が猫ストーカー状態のぼくですが
あらためてこの場を借りて言わせていただきます。


ご受賞、おめでとうございます。


ところで
蓮実さんに関して
ぼくはひとつ心残りにしていることがある。


最近はNewdayのツアーで忙しい
サケロックのハマケンこと浜野謙太が
これまでにいろいろとやってきたバンドやプロジェクトは
ほとんど見てきたと自負しているぼくだが、
実はひとつだけ
見逃したままになっているものがある。


それが
2003〜4年ごろに
蓮実さんとハマケンがやっていたインスト・デュオ。


その名も
ガイガー。


ガイガーの足跡を踏まずにきたことを
何故か忘れられずにいるぼくのために、
いや、
その素晴らしさを知らずにいるほとんどのひとたちのために、
いつかどこかでしれっと不意打ちを喰らわせてもらえたら。


すっかり忘れたふりして
しつこく忘れずにいる
ぼくの夢のひとつなのです。